美容オイルとは?

  1. コスメの成分

みなさん、こんにちは。RITSUKOです。

今日のお題は・・・

美容オイルとは?

美容オイルの効果や使い方をお話したいと思います。

乳液やクリームなどといった乳化された油分ではなく、直接オイルを肌に塗ることがスキンケアのひとつとして広まってきました。

美容オイルとしてスキンケアに使われる油には、植物油、魚油、動物油、微生物発酵による油があります。今回は植物オイルを精製して作られたものを説明します。植物によって効果や使い方が違うので、主なオイルを例に挙げながら説明していきます。自分に合うオイルを選びましょう。また、複数のオイルがブレンドされて販売されていることもありますが、それぞれのオイルの特徴を知っていれば、自分に合うオイルかどうか見分けが付くようになります。

美容オイルとは?

美容オイルの効果とは?

  1. 洗顔後すぐに塗ることで「ブースターオイル」として皮膚に浸透し、角層を柔らかくする効果があります。肌にハリと弾力を与えます。
  2. スキンケアの最後に「フタ」として、水分、有効成分を閉じ込める働きがあります。

全オイルとして共通している性質は、水分の蒸発を防いでくれることです。その他は、各美容オイルによって働きが変わってくるので、美容オイルの種類と働きを確認して上手に使いましょう。

美容オイルの解析

美容オイルに含まれている脂肪酸には、不飽和脂肪酸、飽和脂肪酸の2種類があります。

不飽和脂肪酸

皮膚に浸透しやすく皮膚を柔らかくする効果があると言われています。オレイン酸(炭素鎖の二重結合が1つ)、リノール酸(二重結合が2つ)、リノレン酸(二重結合が3つ)が挙げられます。結合数が多いほど皮膚を柔らかくする効果が高くなっていきます。しかし、結合数が多いと酸化されやすいという欠点があります。酸化されると皮膚に対して刺激となります。

飽和脂肪酸

飽和脂肪酸は皮膚に浸透しにくいと言われています。プラスの要素としては安定していて酸化されにくい、「フタ」の役目として有効成分を閉じ込める、といった点があります。ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸が挙げられます。ステアリン酸も飽和脂肪酸ですが、親水性という作用を持っているため、ステアリン酸を含んでいるオイルは皮膚に浸透しやすい性質を持ちます。

美容オイルの解析

では、各種美容オイルが含んでいる主な脂肪酸を見ていきましょう。

オイル名———オレイン酸含有率—-リノール酸含有率—–パルミチン酸含有率——ステアリン酸含有率

ヒトの皮脂—————-22%—————-13%——————-27%—————–16%

アルガンオイル———–45%—————–31%——————-12%—————–5.6%

マカダミアナッツオイル56%—————–2.8%——————8%—————2.1%

ローズヒップオイル——-14%—————-44%——————-4%—————-1.7% (αリノレン酸35%)

オリーブオイル———-80%—————–6%———————9%——————-2.3%

ボラージオイル———-10%—————–33%——————-10%—————-3.5% (γリノレン酸22%)

ホホバ油—————- 18%—————–14%——————–5%——————-1%(αリノレン酸60%) (ホホバ油は油脂ではなくワックスエステルに属する)

スクワラン————–(スクワランは炭化水素なので脂肪酸を含まない)

まず、赤字のところから見て行きましょう。

オレイン酸に関しては、アルガンオイル、マカダミアナッツオイル、オリーブオイルでは、ヒトの皮脂に比べて多めに含有されています。不飽和脂肪酸のため皮膚をやわらかくするオイルですが、オレイン酸はアクネ菌のエサになるためニキビ肌の方はこれらのオイル、特にオリーブオイルには要注意です。オレイン酸を含むオイルは、にきびのない乾燥肌の方に向いていると言えます。

リノール酸は、アルガンオイル、ローズヒップオイル、ボラージオイルに多く含まれ、不飽和脂肪酸であるため皮膚を柔らかくする効果が高いです。リノール酸には色素沈着抑制作用、抗炎症作用があります。

ステアリン酸を多く含有しているのはアルガンオイル、ボラージオイルが挙げられます。ステアリン酸は親水性が高いため、ステアリン酸が多く含まれているオイルはブースターオイル(洗顔後すぐに付けるオイル)として非常に適しています。水分を弾かずに馴染むので、次に使う化粧水や美容液の浸透を高めます。

特殊な脂肪酸としては、リノレン酸が挙げられます。αリノレン酸、γ(ガンマ)リノレン酸には、皮膚を特に柔らかくする作用があります。リノレン酸は、アルガンオイル、ボラージオイル、ホホバ油に多く含まれています。色素沈着抑制作用があり、リノレン酸はリノール酸よりもその効果が高いことが分かっています。またγリノレン酸は、抗炎症作用が非常に高く、アトピー性皮膚炎、乾燥性の皮膚炎、アンチエイジングに適しています。

特殊なオイル(厳密にはオイルではないのですが)としては、ホホバ油とスクワラン(動物由来、植物由来)があります。ホホバ油は正確には油ではなくワックスエステルに属しています。ホホバ油には、αリノレン酸、ビタミンEが多く、皮膚を柔軟にする性質を持ち、ブースターオイルとして適しています。オレイン酸も少なく、抗菌作用がある、ニキビをになりにくい、抗炎症作用、などが特徴として挙げられます。スクワランも厳格にはオイルではなく、炭化水素に属しています。ホホバ油、スクワランはどちらも安定性が高く、酸化しにくい性質を持ちます。スクワランに関しては水とまったくなじまないため、水分や有効成分を閉じ込める「フタ」=「オイルシール」として使うとよいでしょう。

このように、各脂肪酸の割合、役割を知っていると、上に載っていないオイルでも自分に向いているか見分けがつくようになります。気になるオイルがあれば、「〇〇オイル 脂肪酸 割合」で検索してみると良いでしょう。たとえば、今、話題になり始めている「マルラオイル 脂肪酸 割合」など、検索すると、どんな働きをするオイルか見分けがつきますよ。

美容オイルの使い方

美容オイルの使い方

上の表と説明を見てもらうと分かりやすいと思います。

1.洗顔後すぐに塗る「ブースター」として適しているのは、アルガンオイル、ボラージオイル、ローズヒップオイル、ホホバ油です。皮膚を柔らかく整え、次に使う化粧水、美容液の浸透を高めてくれます。その他にも上に書いたように肌に対するプラス要素が非常に多いです。ただし、ホホバ油以外は酸化しやすいという欠点があるため、酸化防止としてトコフェロールが添加されているものを選びましょう。

2. お手入れの最後に使うのに適しているのは、スクワランです。閉塞性があり、水分、化粧品の有効成分を閉じ込めてくれます。スクワランには、鮫からとれる動物性、サトウキビからとれる植物性のものがあります。今回は植物性のオイルを詳しく説明しましたが、「フタ」=「オイルシール」としては、ワセリンの方が使いやすいかも知れません。(スクワランもいい「フタ」なんですが、お手入れの最後に使うにはサラサラしすぎかも・・・)

美容オイルの注意点

いいことずくめの美容オイルですが、注意点もあります。

ブースターオイルとして使うのに適しているオイルは、リノール酸、リノレン酸などを多く含んでいるオイルです。しかし、酸化しやすいという欠点があります。酸化防止剤として、BHT(食物にも使われる)、BHA(BHTと組み合わせて使われることが多い。まれにアレルギーを起こすことも)、トコフェロール(ビタミンE)が添加されているものを選びましょう。少量ずつ購入して、早めに使いきりましょう。遮光瓶に入れ、冷暗所に保管するのも忘れずに。

また、食用のオイルを使うのはやめましょう。食用の油には雑物が多いのです。化粧品用に精製されているものを使いましょう。

 

いかがでしたでしょうか。美容オイルを上手に使って、ぷりぷりのお肌を取り戻しましょう!本当に柔らかいお肌になりますよ!

Dr.RITSUKO(朽木 律子)

美容皮膚科医、『美肌道』コスメ開発者。医師として初めて化粧品成分検定1級を取得。
美容皮膚科医として、東京の美容クリニックで院長を務める傍ら、長年コスメ開発に勤しむ。確かな知識に基づいた厳選成分、ドクターズコスメの限界を攻める超高濃度なコスメを、丁寧に時間をかけて開発している。

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