「つるつるぴかぴか洗顔」
これのどこが悪いのでしょうか。
すっぴんになったときに、
「つるつるぴかぴかの素肌」を目指す人は、
「汚れをすっきり完全に落とす」
「まっさらの肌に戻す」という目的で、
洗顔の際にこすりすぎていることが多いのです。
まずはクレンジングでこすり、
次に洗顔フォームでこする・・・・。
これでは肌への拷問です。😔
「じゃ、先生、こすらずにどうやって洗うんですか!」
と、たいていの患者さんはケンカ腰に聞いてこられます(涙)😅
「机のぞうきんがけ」を例に出して説明するようにしています。
「机にコーヒーをこぼしたとします。
ぞうきんで拭くときに
机の足がガタガタ揺れるほど
ぞうきんを押さえつけて強く拭きますか?
それとも滑らすように拭きますか?」
するとたいていの患者さんはいったん納得してくれます。
しかし、なかなか患者さんも手強い。
「コーヒーはいいけど、
換気扇の油汚れがべったりとついたら???
先生もこするんとちがいますか?」
(美容皮膚科、って患者さんとの会話がとても弾むのです。
他の診療科にはあまりないことかもしれません。
患者のみなさんも豊富な情報をお持ちです)
「特殊な汚れがついたときは、
特殊な洗剤を使って汚れを浮かすようにして
ぞうきんを滑らせます。
机をガタガタ揺らすほどこすることで汚れは取れませんよね」
「じゃあ、こんな感じで?」
と、患者さんが頬の上で手を滑らせて見せてくれます。
でも、「むにゅっ」って皮膚が動いてしまうことが多いのですね。
ムンクの『叫び』気味に。
「いいえ、こんな感じで」
と、私がやってみせると、
「ええっ!?先生、それで汚れが取れますか?」
と疑われてしまいます。
それぐらい、ほわほわと滑らすように洗うことが大切なのです。
これくらい時間をかけて指導すると、
患者さんも納得して肌をこする洗顔をやめてくれるようになります。
くれぐれも「肌の上で手指を滑らす」ように行ってください。
地肌が少しでも動いたらダメです!😤
この「地肌を動かさない洗顔」を始めた患者さんは
「つるつるぴかぴか幻想」から抜け出し、
こう報告してくれました。
「先生、肌がふっくらもちもちになってきました!」✌️
そうなんです。
正しい洗顔をすると、肌は「つるつるぴかぴか」にはなりません。
「ふっくらもちもち」になっていくのです。
そして、くすみ・赤みが減っていきます。
「つるつるぴかぴか」の正体をわかっていただけましたでしょうか。
過剰な洗浄・こすりすぎで、
肌のキメがまったく失われた
「つるつるぴかぴか」のお肌に化粧は乗りません。
次に使う基礎化粧品も「しみこみどころ」を失っていますし、
有効成分がしみこむどころか
「シミるんです!痛いんです!赤くなるんです!」
状態に陥ってしまいます。
ファンデーションやお粉を塗っても、
お肌の上に保っておくことができませんから、
すぐに化粧崩れをし、すぐに乾燥してしまいます。
小さな三角形のキメがお肌の上にふっくらと残っていれば、
基礎化粧品もしみこむべきところへしみこみ、
ファンデーションもお粉も、
その上にしっかりとつかまってくれます。
めざせ、「ふっくらもちもち肌」!
「洗顔のまちがいさがし」シリーズは、
まだまだ続きます。
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